【上の写真をクリックすると機体各部の詳細、この機体での実写例をご覧いただけます。】
■スペック
【主な仕様】
○生産国 (生産年): ドイツ (1954年)
○形式: 35mm 蛇腹タイプ レンジ・ファインダー機
○レンズ: Voigtlander Ultron F2/ 50mm
○シャッター: SYNCHRO-COMPUR MXV B, 1-1/500
○内蔵距離計: 2重像合致 連動式
○内蔵露出計: セレンタイプ LV読み取り式
○サイズ: 135 x 83 x 42 mm
○重量: 690g
【付属品】
○レンズフード: Walz社製 (革ケース入り)
○カメラケース: Voigtlander純正 本革ケース
■解説
ビテッサ L型、フォクトレンダー社が一番元気だった1950年代に作られた35ミリ・スプリング・カメラです。
レンズは同社の代表的な銘レンズ・ウルトロン50ミリF2、シャッターはシンクロ・コンパー、露出計はライトバリュー読みとり式が装備されています。
同社が得意とする独創的で斬新な設計、凝ったメカニズムは、このビテッサにも随所に見られ、マニアにとっては堪えられないほど楽しく、そして保有欲を刺激するカメラです。
一見、煙突のように見えるフィルム巻き上げ・シャッターチャージ棒(『プランジャー』といいます。)や、観音開きのレンズカバー部、スライド式の凝ったフィルム装填室脱着機構などは、フォクトレンダーの面目躍如といったところです。
メカニズムの面白さだけでなく、この当時のフォクトレンダー製品は、ドイツ工芸の最高水準のオーラを放っていて、特にメッキ技術の素晴らしさは誰もが認めるところです。
鏡面部分のみならずサテン部分のメッキの質感は、後の日本を含めたどの国のカメラよりもしっとりとした高級感があると評されています。
今回出品のビテッサ L型は、露出計が内蔵されていて、ビテッサ・シリーズの中では最上位の機種となります。
しかも、レンズは、あの正真正銘の本家ウルトロン50ミリ。フォクトレンダー・ファンならば、このカメラの価値は十二分にご理解いただけることと思います。
このビテッサ Lには、フォクトレンダーの神髄が詰まっているといっても過言ではありません。
実際、このカメラを手にして、その奥深い思想の一端にでも触れることは、クラシックカメラ・ファンにとってこの上ない喜びをもたらすことでしょう。
■スペック