《 ノクトン 》 Voigtlander Nokton 50mm F1.5 ◆ for Prominent-Mount

4347-05

【上の写真をクリックすると機体各部の詳細、この機体での実写例をご覧いただけます。】

■スペック

【カメラ・ボディ】
○モデル : Voightlander Prominent Ia
○生産国 (生産年) : ドイツ (1952-58年)
○形式 : 35mm レンズシャッター式レンジ・ファインダー機
○サイズ : 135 x 85 x 45 mm
○重量 : 720g
【レンズ】
○標準レンズ : Voigtlander Nokton 50mm F1.5
【付属品】
○外付けファンダー : 純正 KONTUR (専用ケース入)
○カメラケース : フォクトレンダー純正 革ケース
○マニュアル : PROMINENT用 取扱説明書 (英文)

■解説

フォクトレンダー社が戦後間もない1952年に送り出したレンズシャッター、レンズ交換方式の35ミリ・レンジファインダーの傑作、プロミネントIa型です。
このプロミネントは、多くのフォクトレンダー社の製品に見られるように、技術者の思いと拘りのもとに作られた、その余りにもユニークで凝ったメカニズムで有名なカメラです。
このカメラの悲劇は、メカの素晴らしさとは対照的に、独善的ともいえる技術志向のツケが、嵩む製造コストとなって跳ね返ることになったという点にありましょう。
営業的な側面からは決して成功したモデルとはならなかったばかりか、高コストのこのカメラの生産・販売の続行は、次第にフォクトレンダー社の経営的な屋台骨を揺るがすようになってしまいます。そして、遂には、ツァイス・グループへの統合・吸収を余儀なくされる大きな原因の一つとなったと云われています。
このようにいわく付きとも云えるプロミネントですが、クラカメファンの立場からすると、逆に、これほど興味をそそる魅力的なカメラは他にはありません。
凝りに凝った仕掛けがあちこちに見られ、まるでパズル、びっくり箱といった感さえある面白カメラです。
メカばかりではありません。ボディのつくりは精密感溢れるもので、メッキの仕上げも素晴らしいの一言です。
このカメラを初めて手にしたときは、誰もがその重量感と仕上げの美しさに驚かれるに違いありません。
プロミネントは、プロのカメラ技術者やメカ好きアマチュアにとっては この上なく面白く、かつ、性能、仕上げにおいても大変素晴らしいカメラです。
しかしながら、一般のクラカメ・ファンは、余りにもマニアックなメカのため、食わず嫌いのままこのカメラにまだ触れたことのない方が多いのではないでしょうか。
一度このプロミネントの世界を知ると、クラシックカメラの魅力、奥深さといったものを改めて認識することと思います。その意味で、フォクトレンダー・ファンならずとも、手元に是非置きたいクラシックカメラの一つと思います。
掲載写真のプロミネントには、フォクトレンダー社を代表する銘玉として名高い、ノクトン50ミリF1.5を組み合わせました。
ノクトンは、いくつかのレンズマウント用が発売されていますが、中でもLマウント用のものは、信じられないような高値が付き、簡単には手が届かない一種憧れのレンズとなっています。
ノクトンレンズを使いたいが為に、マウント・アダプターをわざわざ入手し、他のカメラボディで楽しんでおられるマニアも多いと聞きます。
しかし、正統プロミネント・ボディで味わうノクトンは、やはり格別です。ノクトンにはプロミネントが、機能的、デザイン的に見てもベストマッチであることは間違いありません。
今回は、このほか、フォクトレンダー純正のKONTUR外付けファインダーをセットしています。(『KONTUR』は、両目を開けて使う特殊なファインダーで、動く被写体を追えば50ミリのブライトフレームが目の動きにフォローしてついてくる、スグレモノです。現在、入手困難なレアアイテムの一つで、ファインダー一つとってもフォクトレンダー社のこだわりを見てとれます。こちらに詳しい解説がありますので、参考までご覧ください。)

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