総合1位 Rolleiflex Standard

ボロさ具合がたまらない、私のカメラ散歩の良き相棒

2140-00 【上の写真をクリックすると機体各部の詳細写真、拡大写真をご覧いただけます。】

■スペック

【主な仕様】

○モデル : Franke & Heidecke社 Rolleiflex Standard
○生産国 (生産年) : ドイツ (1932-38年)
○形式 : 6x6cm TLR Camera
○使用フィルム :  120 ブローニーフィルム
○フィルム・ローディング :  自動巻止め・クランク式
○シャッター :  COMPUR 1 – 1/300, B, T
○絞り :  f3.8-f22
○ボディサイズ : D90 x W80 x H135 mm
○重量 : 790g

【レンズ】
○ビューレンズ : Heidoscop-Anastigmat 7.5cm F3.1
○撮影レンズ : Carl Zeiss Jena Tessar 7.5cm F3.5

【付属品】
○レンズキャップ : ローライ純正 Standardモデル用
○カメラケース : ローライ純正 本革製

■解説

遂に『私の選んだクラカメBEST10』第1位の発表の場面となりました。
・・・・ジャーン・・・・、そのカメラは、・・・・・・・・・・・ ローライの昔の昔の2眼レフ、『ローライフレックス・スタンダード』です!!

きっと、「え~っ!!!」と声を上げた方もいらっしゃることでしょう、「何てまた物好きな!ローライなら他にいくらでも高性能なカメラがあるのに・・?」、その声が今にも聞こえてきそうです。 そうなんです、このカメラをベスト1に選ぶなんてどうかしている、というのは普通のクラカメファンにとってはまさに正しい通常の感覚かと思います。でも、私にとっては価値ある、ベスト・カメラなのです。
その理由を順を追って説明していきましょう。

2眼レフの王者ローライフレックスは、1929年発売の『ローライフレックス I 型・オリジナル』が初代モデルとなりますが、この時の使用フィルムは現在では入手が出来なくなってしまったタイプ117のフィルムを前提としていました。
中判カメラ用フィルムとして現在普及しているタイプ120のブローニー・フィルムを使える2眼レフとしては、今回ベスト1として掲げた『ローライフレックス・スタンダード』が最初のモデルとなります。 同時に、ローライフレックス・スタンダードは、最初の1コマ目を赤窓に出せば、後はクランクによる自動ストップという巻き上げ方式が採用された最初のモデルでもあります。
ローライは、このあとオートマット方式によるフィルムのオートローディング機構を確立し、また、レンズについては、このスタンダードモデルで採用された テッサー75ミリのほか、ツァイスのプラナー、シュナイダーのクセノタールなどを取り揃え、さらに露出計も内蔵するなど、より高機能・高性能を追求してい くことになります。そして、その究極のモデルがローライフレックス2.8F/3.5Fモデルであると云われています。

このような意味からは、このスタンダードモデルは単なるオールド・ファッションのカメラで、ローライの歴史の一頁を飾るに過ぎない昔のカメラと思われがちです。
確かに、ローライ後期の洗練された2眼レフに比べれば、スタンダード・モデルは使い勝手において面倒な箇所が多いのは事実です。また、戦前のノンコートの 古いテッサー・レンズは、コントラストが低いうえ、時にはフレアーが派手に出たりして、性能面だけで見れば現代の最新レンズとは比べようもありません。

しかし、これらいくつかのマイナス要素があるにもかかわらず、私の眼には、スタンダードモデルはとても個性的で、魅力に溢れたカメラに映ります。
まず第一に、非常にコンパクトで軽いボディ(僅か800g足らず、この後のローライ2.8Fは1.2Kg以上もある重量級です!!)と、シンプルで壊れにくいメカ、頑強なつくりが、メリットとして真っ先に挙げられます。 特に、旅行にお供させる『旅カメラ』としては正にピッタリで、移動が楽で、かつ、メカ的にも安心感があります。このカメラを引き連れての旅は本当に楽しく、心から旅と撮影を満喫できます。
また、古いテッサーレンズは、現代のレンズでは出せないような独特の雰囲気を描写できるような気がします。このカメラを使うと、何やらよい写真が撮れそうな気持ちになるのが不思議といえば不思議です。(自分の腕のほどは別としても・・・)
さらに、このスタンダードモデルのデザインは、なかなかチャーミングで、粋なところも大きな魅力です。 フード部分の十字のフレームは外観上のアクセントになっていますし、2眼の『だるま型レンズボード』のシェイプはキュートです。また、カメラボディ正面の “Rolleiflex”、レンズ周りの “COMPUR”などのロゴもとても素敵です。 このカメラの良さが次第に分かってくると、何時・何度見ても、見飽きるということがありません。

私は数あるクラカメの中でこのローライフレックス・スタンダード・モデルが特に好きで、これまで多くの機体を蒐集・保有してきました。
その使い方は、旅カメラとしての他にも、普段日常の散歩のお供にこのカメラをよく引っ張り出します。まるで、ペットの愛犬を引き連れての散歩のように!
すれ違う人は、皆くちぐちに尋ねてきます。 高齢の方は、「昔、これと似たのカメラを持っていたことがあったなー、懐かしいな。これ、今でもちゃんと写るの?」 若い女の人は、「まあ素敵なカメラ、何ていうどこのカメラ?私にもちょっと触らせてもらっていい?」 もし、立派すぎて見るからに高そうなカメラを持っていたら、こんな会話は生まれません。

このローライフレックス・スタンダードは、だから

『ボロさ具合がたまらない、私のカメラ散歩の良き相棒』

なのです。  

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